デンタルニュース

(2019年12月号)

感覚器官の鼻は、同じにおいを長時間嗅いでいると慣れて反応しなくなるという順応反応があります。口と鼻は近く、のどの奥でつながっているので 順応反応が働き、強い口臭があっても自分では気付くことができません。口臭は直接本人には伝えにくく、時には会話や人間関係 の妨げとなります。コミュニケーションの障害となれば、施設や自宅での介護にも支障を来すことになります。これまでの研究で、 健康な人の口臭は90%以上が口腔疾患や口腔内の清掃不良によるものであることが明らかとなっていますので、多くの場合は 歯科治療や適切な口腔ケアを受けることで予防・改善することができます。そこで今月は『口臭』についてお届けしたいと思います。。

■口臭のメカニズム

要介護高齢者の口腔管理は、介護者の関わり方がとても重要で、介護の妨げとなる口臭対策は重要課題の一つと言えます。 口臭発生のメカニズムは、口の中の汚れが口腔内の細菌によって分解されて、臭気の元となる物質が産生されるためです。 口の中の汚れとは、粘膜細胞が古くなってはがれたもの(いわゆる垢)や食物残渣、唾液由来のたんぱく質等です。 また細菌によって作られる臭気物質とは、
①硫化水素(卵が腐った臭い)
②メチルメルカプタン(魚や野菜の腐敗臭)
③ジメチルサルファイド(生ゴミの臭い)
というもので、いずれも硫黄を含んでいることから、揮発性硫黄物質(VSC)と呼ばれています。要介護高齢者は歯磨きが 十分にできないケースも多く、口腔内の細菌が非常に増殖しやすい環境です。また降圧剤をはじめとした多剤を服用している場合は、 副作用で口腔乾燥を生じやすいことも重なって、口臭を一層強いものにしています。

■VSCの主な発生場所

東京医科歯科大学によると、舌苔量と口臭には強い相関関連があると報告しています。つまり口腔内の汚れは舌の上に留まりやすい ことがわかります。また歯と歯ぐきの境目の歯周ポケットは、酸素が苦手な歯周病菌にとって絶好の棲み家となります。 もしその部分に汚れが残っている状態が続くと歯周病菌は大量に増殖し、VSCの産生量が増えることがわかっています。 さらに口腔乾燥があると、唾液による自浄作用が低下するため口臭が強くなります。これらのことから口臭対策には次の3つがポイントです。

●多くの場合、舌苔がVSCの発生源となっているので舌をきれいに清掃する必要があります。
●歯周病が原因となっている場合には歯周病の治療を受ける必要があります。
●口腔乾燥が認められる場合は、口腔清掃に加えて、服薬状況のチェックや唾液分泌が増加するよう唾液腺マッサージを行います。

歯並びや手先の器用さによって歯の磨き方は一人ひとり異なります。自身の口腔内に適した磨き方や清掃道具を、 歯科医師や歯科衛生士からアドバイスをもらってセルフケアを実践すると効果的だと思います。


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