デンタルニュース

(2019年8月号)

肺炎はウイルスや細菌といった微生物が肺へ侵入・増殖して炎症を起こす疾患です。肺炎にはさまざまな種類があり、 その中でも頻度が高く全肺炎の40%を占めるのが肺炎球菌が原因の肺炎球菌性肺炎です。 肺炎球菌ワクチンの接種を呼びかける政府の広告も流れているのでご存知の方も多いと思います。 その他にも原因となる微生物によって、マイコプラズマ肺炎やレジオネラ肺炎などがありますが、 高齢者に限ってみると全肺炎の70%以上は誤嚥性肺炎です。誤嚥性肺炎の場合、原因菌は口腔内の細菌であるため、 肺炎球菌ワクチンでは充分な予防効果が期待できません。そこで今月は『歯科でできる誤嚥性肺炎の予防法‼』をお届けします。

■睡眠中にも誤嚥・・・

誤嚥性肺炎には、食べ物や飲み物、胃から逆流した内容物が誤って肺に入った時に咳反射で排出できず発症するタイプと 睡眠中に増殖した口腔内細菌を気付かずに誤嚥することによって発症するタイプがあります。要介護高齢者では後者の 不顕性誤嚥が特に多く、誤嚥の自覚がないため繰り返し発症しやすいという特徴があります。

■リスクへの対応が重要!

前号でもご紹介したように高齢者の誤嚥性肺炎は、免疫力の低下した状態で、細菌の増殖した食べかすや唾液を誤嚥すると、 発症のリスクが高まります。よってリスク因子に対する予防が必要となります。

■歯科でできる予防法‼

1.口腔ケア・・・

毎日の歯磨きで口腔内の細菌を減らすことができます。特に寝る前の歯磨きは、睡眠中の不顕性誤嚥による肺炎予防に効果的です。 また歯ブラシでは落とせない歯や入れ歯に着いた歯石は、歯科衛生士による特殊な器具を使った口腔ケアできれいに落とすことができます。 専門的口腔ケアを定期的に受けた場合、肺炎を57%も減少したとする臨床結果があります。

2.免疫力の向上・・・

免疫力は栄養状態に大きく影響を受けますので、必要十分な量の食事を摂れるようにすることがポイントです。食事の摂取量が少ない場合は、 噛む機能や飲み込む機能に問題のあることが多く、まずはむし歯の治療や入れ歯の修理・新製等、噛める状態にもっていくことが重要です。 そしてお口の体操やマッサージ等の嚥下機能の改善に取り組むことで、食事摂取量は改善できます。

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