今月は『代替医療』いついてご紹介します。
現代の医療は、科学的に十分検証された西洋医学の考えに基づく治療です。
人間の寿命が大幅に伸びたことからも優れたものであることが分かります。
しかし西洋医療で治せない疾患、原因が明らかでない慢性的な疾患、精神的な面が影響する疾患等、
現代医療が行き詰る場合もあり、それを補うものとして“代替医療(補完医療)”があります。
代替医療は疾患の治療が主目的ではなく、主に症状を軽減したり気持ちを癒す効果や予防を期待して使用します。
アメリカでは、医療費が高いこともあり、50%近くの人が何らかの代替医療を行っていると言われています。
1.日本でも代替医療が増加!
春先にはヨーグルトや甜茶が花粉症の症状を抑えるとして売り場に並びます。街にはリフレクソロジーの店舗が増加しています。
これらは代替医療の一つです。厚生労働省の実態調査によると、主治医による治療とは別にがん患者さんの45%、花粉症患者の20%が
何らかの代替医療を行っていて、日本でも増加傾向にあります。様々ある代替医療ですが、主に下記のように分類できます。
【民間療法】漢方(医師の処方以外のもの)、アーユルヴェーダ、ホメオパシー
【食事療法】サプリメント、健康食品
【運動療法】ヨガ等
【感覚療法】アロマセラピー、光療法、音楽療法
【手技療法】カイロプラクティック、マッサージ
2嗅覚への刺激は脳へ直接作用する?
最近、代替医療のアロマセラピーが、認知症の改善効果があるのではないかと話題になっています。 アロマセラピーとは、花や木など植物に由来する芳香成分を嗅ぐことで、心身の健康や美容を増進するものです。 嗅覚は人間の五感の中でも原始的で特殊な感覚器と言われ、内分泌系や自律神経の生理反応に直接作用することがわかっています。 認知症の場合では鼻から入った芳香成分が、感情反応を司る扁桃体と記憶を司る海馬を刺激して、認知機能障害を 改善するのだそうです。実は歯科の分野でも嚥下障害にアロマによる代替医療が効果があるのではないかと言われています。 東北大学の研究チームによると、黒こしょうの芳香成分が大脳の一部分を刺激し、嚥下反応をコントロールするサブスタンスP という物質が増加させることによって、嚥下機能を改善させるというデータを発表しています。
3.玉石混淆?注意が必要!
多くの代替療法がある中で、科学的根拠のレベルが低く体験談的に語られているものは信頼性に乏しいと言えます。 健康食品であっても悪影響が出ることがありますし、相互作用で薬の副作用が出る可能性もあります。 現代医療と代替療法を併用するときには、あらかじめ主治医にそのことを伝え、気になることがあれば報告するようにしましょう。