今月は、『訪問歯科診療』についてご紹介します。
要介護者の口腔機能を維持管理することは重要です。口から食べること廃用症候群の予防に役立ち、口腔ケアは肺炎の予防に効果があるからです。「在宅医療のグランドデザイン(平成19年、厚労省委託研究)」の中では、過去の研究や調査を考察した結果、全要介護者に定期的口腔ケアが必要であると指摘しています。しかし、全要介護者に月1回の在宅歯科医療サービスの利用を想定した場合、現在の普及率(利用率)はわずか4%程度にしか過ぎません。訪問歯科とはどんなものか、申し込み手順や料金の不安等の理由であきらめている方が多いかも知れません。
1.訪問歯科診療
お身体が不自由等の理由で通院が困難な方が居宅や施設で歯科診療を受けられるというものです。年齢や介護認定の有無は関係ありませんが、仕事が忙しい等の理由では、対象外となっています。
2.可能な治療
むし歯、抜歯、歯周病、入れ歯の作成・修理等に対応できます。小型化された訪問専用の歯科機材を使用するので、狭小スペースでも診療所とほぼ同じ治療が可能です。また訪問歯科では口腔ケアを積極的に実施します。
3.準備いただくもの
各種保険証をご用意下さい。その他は、水や電気のコンセントをお借りする程度です。普段お使いの椅子やベッドに腰掛けて治療を受けていただくので特別にご用意いただくものはありません。
4.訪問範囲と訪問場所
居宅、施設、病院への訪問が認められています。当院の訪問範囲は船橋市・鎌ヶ谷市・八千代市・市川市・習志野市ですが、事前に診療所へご確認下さい。
5.治療費
保険診療です。居宅と一部の施設では介護保険のご利用負担があります。なお居宅療養管理指導はケアプランの対象外であるため介護保険の支給限度額の枠外です。(給付管理票への記入は不要)
6.お申し込みと治療までの流れ
お電話でお気軽にお申し込み下さい。代理の方でも大丈夫です。まずは歯科検診を行い、ご本人・ご家族様のご希望があれば治療計画を作成します。1回の治療時間は30分位で基本的に週1回です。