今回も前号から引き続き『キシリトール②』についてお届けします。
キシリトールと聞けばすぐにガムが思い浮かべますが、実はいろいろな商品が販売されているのをご存知ですか?
ガムのほかにキシリトールを配合して“むし歯予防等”を謳っている商品には、錠果(タブレット)や、グミ、チョコレートが販売されています。ただしキシリトールが口の中にある程度の時間とどまる必要があるので、もしキシリトールが含まれているジュースがあったとしても残念ながら効果は期待できません。でも、歯みがき後にチョコレートを食べてから寝るなんていうのは、ちょっと抵抗があるかも知れませんが、、、。
キシリトールを上手に使うには・・・・
「選び方」
キシリトールを高濃度(50%以上)に含む商品を選んでください。それ以外は、推奨しません。
「使い方」
1日3~5回、食後・食間・終身前に10分位、口の中に入れておき(ガムは噛む)、キシリトールが含まれてた唾液をすぐに飲み込まずに、全部の歯によく行き渡らせるのがポイントです。キシリトール100%のものを毎日継続して摂った場合、歯垢が減るまでにおよそ2週間。3ケ月もすれば、むし歯になりにくい口腔環境になります。
「注意」
摂取し過ぎると、お腹がゆるくなるので、注意が必要です。またキシリトールさえ摂っていれば大丈夫かというと、残念ながらそうではありません。歯みがき、正しい食生活、定期健診が基本にあってのキシリトール効果ということです。
要介護高齢者にも!!
要介護高齢者で歯みがきが十分にできず口腔内環境が悪化しやすい場合に、キシリトールを使うことで、次のような効果を期待できます。
①直接口腔内の細菌(歯垢)を減少
②唾液分泌を促しお口の中の汚れを洗浄
③唾液分泌で薬や加齢による口腔乾燥を改善
錠菓やチョコレートなら入れ歯等でガムが駄目な方でも使用できます。またキシリトールはインスリンに関係なく吸収されますから、糖尿病の方でも安心して使用できます。
災害時の口腔ケアにも!!
平成21年の厚生労働科学研究で、災害時の避難所生活では水の使用制限もあり、口腔衛生状態はかなり悪くなり、むし歯や歯周病にとどまらず、呼吸器系の感染症や肺炎を引き起こすリスクが高くなると指摘しています。その対策として非常用グッズに歯ブラシとマウスウォッシュに加えて、キシリトールの準備を推奨しています。