(平成24年7月号)
今月は『複合サービスは介護予防・維持・改善に一層効果的』をお届けします。
2055年には、65歳以上の高齢者が総人口の40%に達するそうです。
高齢化が進むと当然医療・介護の費用も増加しますから、国は“予防”に力を入れるようになりました。
介護の分野でも要介護度を維持、軽減するため
①口腔機能の向上をはかる
②運動器機能の向上をはかる
③栄養の改善をはかる
という3つのサービスが行われています。
今年4月からはさらに一歩進んだ、ご利用者の心身の状態によって、①~③を組み合わせるという“複合サービス(複合プログラム)”が始まりました。
要介護度が軽度になった!!
口腔機能と運動器機能の向上、そして栄養改善については、今までも要支援・要介護の方へ単独のサービスとして提供されてきましたが、これらの2つ又は3つのサービスを同時に組み合わせたら?という研究が平成22年に東京歯科大学を中心として、3か月間実施されました。実施前後で心身及び要介護の状態を比較するというものです。
試験の終了後、要介護認定の更新を行った71名について、要介護度の変化をみてみると、複合サービスを受けたご利用者では要介護度が軽度化し、さらに重度化を抑制するなど、単独サービスを受けるよりも、一層効果的であることがわかりました。
複合サービスによる改善項目は‥‥
改善した主なものは、転倒骨折、廃用症候群、誤嚥性、肺炎で、要介護状態となるリスクを軽減させることができました。加えて、認知機能の改善も認められたことから、高い介護予防・改善効果が期待できる結果となりました。これは、下記のように3つのサービスが相互に連動していることによる結果と考えられます。また、いずれか1つだけのサービスを受けた場合でも「今まで以上に生きがいを感じる」という感想が多く得られました。