デンタルニュース

(平成24年1月号)

ご高齢の方々にお話を伺いますと、毎日の生活の中で一番の楽しみは「食事」だそうです。食べることには単に栄養をとるためだけのものではなく、生きる意欲の向上に大きく関係しています。「食べられない、食べにくい」というのは摂食に関係があり、「飲み込めない、飲み込みづらい」というのは臙下に問題があり、普通に口から食べることができなくなることは、精神的に落ち込んだり、いろいろな障害が現れます。そこで今月は『食べる前の体操』についてお届けします。いつまでも食べることが楽しみであるために、そして安心しておいしく食事をとるため、食事の前の2~3分でできる、とっても簡単な体操です。

口から食事をとる時には、脳の7~8割を使うといわれています。これは普段の食事が脳の活性化やQOLの維持・改善に役立っていることを意味しています。ただし、しっかり咀嚼できて、つかえず飲み込めることが大事です。そのためには、食前に上半身と口の筋肉のストレッチを行うことがとても効果的です。毎回食べる前にひとりで簡単に行うことができるものを紹介します。

1. 心の準備体操

鼻から息を吸い、口から吐き出し、深呼吸をします。

2. 飲み込みを良くする体操

①首を前後左右に動かしたり回したりします。

②舌先で左右の頬、唇の上下を押します。


3. 食べこぼしを防ぐ体操

①ひょっとこのように口を突き出し左右に動かします。

②フグのように頬を膨らませます。

③「パンだのたからもの」と大きな声を出して言います。


4. 唾液分泌を促す体操

①左右の耳の前をマッサージします。

②顎の下の部位を押します。

どちらも唾液腺のツボです


5. むせ・痰のからみを防ぐ体操

この体操は肺の通気機能を向上させ、呼吸筋のストレッチができ、むせを防ぎます。また手指への刺激は脳へ伝わり脳の刺激・覚醒を助けます。

①胸の前で手を組み、反転させて前方へ押し出しながら腕を伸ばします。

②そのまま両手を上へ持ち上げます。

③頭上で両手をはなして気を付けの体勢に戻ります。

▲このページの先頭へ